季節は夏。


雨ばかりだった梅雨が明け、大嫌いな期末テストも終わった7月半ばの日曜日。


あたしは朝っぱらから近所迷惑な叫び声をあげていた。



「お…お母さん。

何でいるの!?」



だって…


今まで一緒にいたはずの神崎君が、いきなり鬼のような形相の母親に変わったんだもん。


普通誰でも驚くでしょ??



それなのに、何が起きたのか未だに分かっていないあたしに母親が呆れたように言い放つ。



「…ったく、何寝惚けたこと言ってんの!
そんな枕相手にひょっとこみたいな口して…。

言っておくけど、もうお昼よ!?

今日は神崎君が来る日なんだからねっ!」



「へっ!?」


…お昼?


…神崎君が来る?



「…あぁぁぁぁぁっ!」


少し考えたところで、あたしは一気に現実へと引き戻された。




…そうだった!


すっかり忘れてた――!