〜キス・神崎side〜
オレがここに来たのは、後輩の一言がきっかけだった。
‘最近、この辺りによく変質者が出るらしいっすよ’
それを聞いた時、何故か知らないけど胸騒ぎがしたんだ。
観客席から消えた円香に…
何かあったんじゃないかって。
もちろん、確信なんて何もなかったけど…
その勘のおかげで、俺は男に迫られていた円香を助けることができた。
ロングシュートの練習が意外な場所で役に立ったな…。
今、腕の中にすっぽりと収まる円香を見て、オレは心底ホッとしていた。
でも…
「てめぇ…ふざけんなよ!」
暫くして、オレが逃げる男を追おうとした時…
「行かないで!」
円香が…止めた。
しかも、ぎゅうっとオレの腕を掴み、胸に顔を埋めてくる。
「円香…?」
いつもの円香とは、明らかに違う。
でも…
そんな円香が、
愛しくて仕方なかった。

