〜異変・神崎side〜
…早く試合終わらねぇかな。
ロスタイムの間、オレはそればかりを考えていた。
正直言って、今日の試合はヤバかった。
試合前にあんな円香を見たせいで、頭ん中は円香一色。
冷静を装おって、前半2点、後半1点を決めたけど、
身体半分はずっと最前列ではしゃぐ円香を意識していた。
でも…
ピッピッピーッ!
試合終了を知らせる音を確認した時…
なぜか観客席には円香の姿がない。
…おかしいな。
ついさっきまでは、張り切って応援してくれてたのに…。
まさか、また何かやらかしたとか?
今までの円香を考えれば、十分にあり得ることだった。
「…とりあえず、ベンチに戻って電話でもしてみるか」
少し前まで円香がいた場所を眺めながら、オレはボソッと呟く。
フィールドでは勝利を喜び合う仲間たちの声と、
観客席からの未だに冷め遣らぬ興奮の声が混ざり合っていた。

