モテ彼×ブキヨウ彼女




「ねぇ…凪ちゃん。

あたし、相手のチームがどこか教えたっけ?」


「え!?」


あたしの問いかけに、凪ちゃんが一瞬だけ驚いた表情を見せる。



今、凪ちゃんは確かに‘弱小らしい’と言っていた。


あたしは神崎君に聞いていたから知ってたけど、
凪ちゃんに言った覚えは全くない。



これは…

絶対におかしい。



「凪ちゃ…」

「あーー!!

円香、ほらもうこんな時間!
早く行かなきゃ間に合わないよ!」


「いや、まだ間に合…」

「いーから!

さっさと行きなさいっ!!」


「はい…」



凪ちゃんには、一生敵わない気がするよ…。


あたしはため息をつきながら、試合会場へと向かった。




試合開始は午前10時。

現在時刻は8時半。



あたしの中にある不安と疑問は、一切解決されないまま…。


一足先に、この計画は…

キックオフされた。



クルリと背を向けたあたしの後ろで、
ニヤリと笑う凪ちゃんを残して―――…。