「信じらんない…。

翔なんて、付き合ったその日にキスしてきたよ?」


「えっ!?
そうなの…?」


「っていうか、普通はそんなもんだって!

神崎君が不思議で仕方ないよ」


「……」



やっぱり、そうなんだ。



凪ちゃんの発言に、大きなショックを受けてしまった。



そう言えば、初デートの時も暗闇の中で手を握って来たりはしたけど、

あたしが寝たせいで台無しになっちゃったし。



それ以外にも、いっぱいドジしちゃってるし…。



あたしって…ことごとく魅力がないような気がする。



だから…なのかな?


神崎君が何もして来ないのは。



でもどうしたら、もっと魅力的な女の子になれるんだろう…?




そんなことを考えていたら、再び凪ちゃんの声が聞こえて来た。



「そういえば、今日日曜日なのにデートしないの?」


「あーうん。
神崎君、部活で忙しいみたい。

だから昨日も会えなかったんだ」


サッカー部に所属している神崎君は、1週間後に試合を控えているため、先週から毎日部活。



初デート以来、土日のどちらかに会っていただけに、

今は少し寂しい気分だった。