そんなこんなで、



あたしの初デートは大波乱。




いきなり制服で現れて、


ポップコーンを食べ過ぎて。


映画で爆睡した上に、


電信柱に抱き付いて。



本当に、失敗ばかりだった。



でも、その度に伝わって来たのは、


揺るぎない、神崎の優しさ。


広い心。



今日だけで、


神崎君がモテる理由が分かった気がするんだ。



ねぇ…神崎君?



あたし、きっとこれから、


もっと神崎君のこと好きになる。



今さら付き合ったこと後悔したって遅いからね…?









「あ…そう言えば寝てる時、ヨダレ垂れてたよ」


「えっ!!?」


「嘘♪」


「なっ!もう、神崎くん!」





あたしたちが歩く道を、


オレンジ色の夕陽が、


明るく、照らしていた。






【その2 失敗だらけの初デート(ToT) END】