それから程なくして、
場内が暗くなり、大きなスクリーンに予告動画が流れ始めた。
それが5分間くらいあったおかげで、
本編が始まる頃には神崎君も戻って来た。
いきなり主演俳優のラブシーンから始まる映画に、内心慌てながらも、
話に集中できるように画面を見つめる。
隣の神崎君も、凄く真剣な表情をしていた。
だけど、それが中盤に差し掛かった頃…
膝に置いていたあたしの左手に、
神崎君の右手がそっと触れた。
「!!?」
突然の神崎君の行動に、一人でパニックに陥るあたし。
そんなあたしを余所に、
神崎君はその手をギュッと握ってくる。
ちょ…ちょっと待って…?
これじゃあ…
これじゃあ……
ポップコーンが取れないって!!
…いや、違う。
本当は、手も顔も…
火傷しそうなほど熱い――…。
だけど、人って不思議な生き物なんだ。
最初はカチカチに緊張してたのに、だんだんそれが心地よくなって来る。
心地よく…
なって来て…―――。

