「なんで怒る必要があるの?
そりゃあ…最初はちょっと驚いたけど。
櫻井さんの言葉聞いて、逆に嬉しかったよ?
あ―緊張してくれたんだって。
それにオレ、櫻井さんの制服姿好きだし(笑)」
「神崎君…」
少しおどけた様子と、つないだ手から、
神崎君の優しさが伝わってくる気がした。
「じゃあ、あたしこれからも制服で来るねっ!」
「えっ!?」
再び歩き出してからの、あたしの衝撃発言に、神崎君は苦笑い。
そんなやり取りを楽しんでいたら、
あっという間に映画館に着いてしまった。
入り口の横に並ぶ、十数種類の映画のポスターを見ながら神崎君が言う。
「どれがいい?
オレ…普段あんまり恋愛映画とか見ないからなぁ…」
「んー…そうだねぇ」
…凪ちゃんがメールに‘恋愛映画’なんて書くからだ…。
心の中ではそう思いつつ、神崎君が真剣に考えてくれることが嬉しかった。
そして、何分か悩んだ後で、最近流行っているという邦画に決定した。

