その瞬間…



あたしは、完全に落ちた。



気が付いた時には、頷いていたんだ。



「よろしく
お願いします…」


「喜んで♪」



安心したような笑顔を浮かべた神崎君に、きゅんとしてしまった。



駅で声を掛けられてから、数十分後のことだった。




高校2年生の始業式の日。


あたしの初めての恋は、幕を開けた。



照れるあたしと優しい笑顔を浮かべる神崎君。


その間に、一瞬だけ強い風が吹いた。



舞い散る桜は、もしかしたら予言していたのかもしれない。



モテモテボーイと、不器用女。



あたしたち2人の、


前途多難な、



恋のはじまりを―――…。







【恋は突然やって来る(*^^*) END】