振り返ってみると、神崎君と付き合い始めてからの半年間、本当に色々なことがあった。
初めて男の子に告白されて。
初めてのデートで大失敗して。
初めてのキスは凪ちゃんに振り回されて。
初めて神崎君が家に来た時には、ヤキモチも妬いた。
そして今回。
初めて神崎君を見失いそうになった。
これからも、そういうことがあるかも知れない。
モテモテの神崎君を前に、また迷路に迷い込むこともあるかも知れない。
だけど、その時は2人で乗り越えていこうね。
ブキヨウなあたしなりに、精一杯頑張るから――……。
「円香、これからどこかで夕飯食べていかない?
オレ、腹減った(笑)」
「……うん!!」
元気良く頷くあたしの右手には、シルバーの指輪がキラリと輝いていた。
【モテ彼×ブキヨウ彼女 完】