「えっと……神崎君、大丈夫?
部活見に行ったら、風太君に倒れたって聞いたから……」
あたしは‘小春ちゃん’に会釈をしてから、神崎君を見て言った。
神崎君は「あ……うん、だいぶ良くなった」なんて答えてくれたけど、驚きを隠せない様子。
そりゃあそうだよね。
一方的に無視し続けていたあたしが、急に目の前に現れたんだから……。
でも……。
でもね?
あたし、神崎君に聞きたいことが沢山あるんだ。
バクバク跳ねる心臓を、大きく息を吐いて落ち着かせる。
そして、隣にいる‘小春ちゃん’の視線を感じながらも、恐る恐る話を切り出した。
「あのね、あたし……。
あたし、神崎君に聞きたいことがあって……」
制服のスカートをギュッと握り、勇気を振り絞って発した言葉。
だけど、あたしがその続きを聞くことはなかった。
だって……。

