モテ彼×ブキヨウ彼女



そして到着した保健室。


勢い良く走り出したのは良かったものの、迷ったために10分以上かかってしまった。


そぉっとドアを開けると保健の先生も不在らしく、中はシーンとしていた。


そんな中、ベッド際に一枚だけ閉められているカーテン。


この向こうに……神崎君がいるはず……。


あたしはゆっくりと足を進め、スゥッと深呼吸をしてから、カーテンにそっと手を掛けた。


その時――。



「……く……けないわねぇ……」


中から、女の人の声が聞こえて来た。



―――え?


あたしの動きが止まる。


だって……


5センチほど開いていたカーテンの隙間から見えたその人の後ろ姿。


それは、あの日。


神崎君がデートをキャンセルした日……。


一緒にいた女の人とそっくりだったんだ――…。