モテ彼×ブキヨウ彼女



「凪……と円香ちゃん……。
こんなところで何やってんの?」


転がったボールを取りに来たらしい風太君は、ひょいっとボールを拾い上げるとゆっくりとあたしたちの方へ近付いてくる。


「あ……えーと……」


‘神崎君に会いに来た’
たったそれだけのことなのに言葉に詰まってしまう。


風太君はそんなあたしを見て、あぁと納得したような表情で言った。


「大二郎に……会いに来たんだ?」


あたしは、黙ったままコクリと頷いた。


グラウンドには、サッカーボールを蹴る音や部員たちの掛け声が響き渡っている。


風太君は、少し考え込むような素振りを見せた後で、ポツリと呟いた。


「アイツ……今、保健室にいるよ。

6限の体育の授業で倒れたんだ」


「え……?」


予想もしていなかった答えに驚いて、あたしと凪ちゃんは思わず顔を見合わせた。