――そんなキモチのままやって来た神崎君が通う高校のグラウンド。
今からサッカー部は練習試合をするらしく、赤と青のゼッケンを付けた部員たちが中央に並んでいた。
その様子を木陰から窺うあたしと凪ちゃん。
何を勘違いしたのか泥棒のようにハンカチを顔に巻いている凪ちゃんのせいで、相当怪しまれている。
……というのは置いといて。
あたしは、ドキドキしながら目線をキョロキョロと動かす。
でも――。
「円香、いた?」
「……ううん」
凪ちゃんの問いかけに、あたしは首を横に振るしかなかった。
今日は金曜日だから、神崎君は部活に出ているはず。
それなのに……。
試合に出ているメンバーの中にも、
隅の方でパス練をしている部員たちの中にも神崎君の姿は見当たらなかった――…。

