モテ彼×ブキヨウ彼女



―――………
――……
―…


「……もぉ、何やってんのよ」


神崎君と会わなくなってから数日が経った、ある日の教室。


事情を知る凪ちゃんは、あたしの前で呆れた表情を浮かべている。


一方のあたしはと言えば、机の上でぐたーっとしたままため息ばかり吐いていた。



「神崎君から、メール来てるんでしょ?
ショックなのは分かるけど、何も言わずに急に避けたりしたら心配するよ?」


放課後の騒がしい教室に、凪ちゃんの声が優しく響く。



……そう。


あの日、あたしがホームから立ち去った時以来、あたしのケータイの着信履歴や受信BOXには神崎君の名前ばかりが並んでいる。


『円香、どうしたの?』とか……『連絡待ってます』とか……。


たった数文字の中に、神崎君のキモチが詰まっている。


――このままじゃダメ。

それは自分がいちばん良く分かっているつもりだった。