まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~



「やれやれ、どうしたものか」


仕方なく誰かを呼ぼうと思った矢先に、部屋のドアが開いた。入ってきたのは、見覚えのない若い(おそらくヒューマノイドと思われる)女性であった。


「明かりがついたので、目を覚まされたんだろうと思って様子を見に来たんですよ」


赤い髪を後ろでひとつに縛って、非常に動きやすそうな恰好をしている。首にかけられた個体識別証票から、非接触型の個体識別機能が搭載される以前の型であると分かった。