まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~



と、そこまで考えて、さらに困ったことに気が付いた。


日々の買い物や坊ちゃんの送り迎えなど、外へ出る用事はもっぱら他の者が行っていて、その者たちには位置情報プログラムが搭載(インストール)されている……が、私にはそれがない。つまり、ひとりではお屋敷まで帰りつけないという事がはっきりしているのだ。


私のような年式の古いヒューマノイドは汎用性に欠けるという難点がある。屋敷の中で働く分には最新型と遜色ない働きができるものの、屋敷の外に放り出されてしまうと全くの役立たずになってしまうのだ。