まどろみの淵にて~執事ヒューマノイドの失われた記憶~



「今日はずいぶん調子が良いみたいですね」


声をかけてきたのは、早朝の赤毛の女性とは別の中年女性であった。少しやせ気味で神経質な感じを受けるが、黒い髪をうしろで団子にしてきちっと縛ってある。


ベッドメイクの邪魔にならない様、私が窓のそばへ避難して外を眺めていたほんのしばらくのうちに、シーツと枕カバーを手早く換え終わっていた。その仕上がりは、たったあれだけの時間で仕上げたにしてはなかなか見事で、しわひとつなくキッチリと仕上げられている。


籠に古いシーツを丸めて投げ込むのはいかがなものかと思うが、忙しいのであろう、仕事を終えるとさっさと部屋を出て行ってしまった。