初めて逢ったのは物心もまだ付いていなかった頃の話だ。


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『こうじくん!おままごとしようよ』

『だめ!こうじくんはわたしとおにんぎょうあそびするの!!』

『いやいや!!こうじくんはあたしとおえかきするんだから』

今考えたら、僕は幼稚園の時、相当モテていたんだろう。

その中で僕はいつも言い寄ってくる女の子達を押しのけ、小さい頃からの知りあい―――伊織ちゃんと遊んでいた。

『こうじ?』

『どうしたの?いおり』

『なんかこのごろね、こうじっていうのはずかしいの』

『じゃあ、よびかたをかえよう!!』

『かえるってどんなのにするの?』

『んー』

『こうちゃん』

『なんか女の子みたいじゃない?』

『こうくん』

『いるじゃん、こうくんなんてほかに』

『こうさん』

たしかこのよびかたは誰もしていないはずだ。

『うん!それがいい』