「呼び出されたのは、その・・・。僕の性癖の話ですか?」

りゅーちゃん先生はあえて、告白じみた言葉にならないように考えて、何故か生々しい表現で話した。

確かに、性癖なんだけど・・・・・・。

「う・・・うん。大地から聞いてしまって・・・・・・」

『何を』かは、言わなくても察してくれたらしい。

「はぁ」

お互いに事情を話したのは良いが、気まずい。

大変、気まずい!!!!

「あの・・・」

僕が言いかけたと同時に、りゅーちゃん先生が席から立った。

そして、

「話は聞いてると思います!僕は尾上さん、貴方が好きなんです!!!!その・・・付き合って下さいませんか!!?」

大声で言った。

ちょうどマスターはキッチンにて、調理中なので会話は聞こえていないはずだ。

それより!

「すっ好きなのは知ってますが、お付き合いですか!!?」

「迷惑承知でお願いしたんですが・・・・・・」

りゅーちゃん先生は頭を深く下げて僕を見た。

長身の二十代に上目遣いなんて、される人はなかなかいたいだろう。

これが案外、可愛い。

「そんな目で見ないで下さいよ」

僕が少しだけ拒絶すると、りゅーちゃん先生はシュンとした。

駄目だ!

男なのに母性が分かる気がする!!!!

少し考えてから、僕はふぅと息を吐いた。

「本気でしたら、お付き合い、出来ますよ?」

我ながら恥ずかしい。

彼は途端に笑顔になった。

間近で見ると、余計にヤバい。