大地の「りゅーちゃんはパパのコトが好き」発言で、僕の頭を過ぎったのは、まさに邪念だった。 いや、一父親としたら当たり前かもしれない。 ―――幼稚園の先生と結婚すれば、大地が楽になるんじゃないか・・・。 大地に僕への愛と同じぐらい、はたまたそれ以上の母親の愛情を注いでくれるんじゃないか・・・。 僕はそんな女性を愛せるんじゃないか・・・。――― 「なぁ、大地」 僕は幼稚園へ行く準備をする大地に後ろから声をかけた。 「何?パパ」 「パパ、大地にお願いがあるんだけどさぁ」