「なぁ、大地?」 「なぁに?パパ」 尾上家には僕と大地しかいないため、必ず、絶対に、夕食は親子水入らずで囲む。 大地は僕に幼稚園のコトを話し、僕は「明日は何が食べたい?」とか「今日は何があった?」だとかの質問をする。 僕達の食卓に、沈黙というモノは一切ない。 「今日は幼稚園、どうだったんだい?」 いつものように僕は大地に質問した。 あとになって、この時に間違えなければよかったのに、と後悔する。