次に俺が口を開くよりもさきに彼女が俺の手をとる。


「ほら、帰ろう?」

振り返ってにこ、と笑顔を浮かべて手を引っ張る。


「そうだね、帰ろっか。」

ゆっくりと二人で歩き出す。


「…今日、待っててくれてありがと。」

小さく頭をさげながら礼を言う。

「どーいたしまして!」

嬉しそうに笑いながら、繋いでいる手を揺らす。


やっぱりかわいい。

「ねぇ、絶対に俺以外の男についてっちゃだめだからね?」


大きな目をぱちくりさせる。


「当たり前でしょう、好きな人はひとりだけだもん。」

そう言って彼女は、満面の笑みを浮かべた。





「ずっと、俺だけのものでいてね」



fin