【短編集】放課後は君との時間

後輩か、?


[先輩のことは、グラウンドからよく見てました。なんて書いたら気持ち悪い、とか思われちゃうのかもしれないけれど。]

グラウンドから、ここってみえんのか。


下を見下ろしてみた。

確かに、見づらい位置ではあるけど、見えないこともないのか。


この子は、どこから見てたんだろうな。


続きには、

[私は、バレー部の1年です。最初に先輩を見たのは、部活中に外周をしていたときです。]

って書いてあって。


バレー部、かわいい子いたよな。

なんて興味が沸いて来て。



[先輩は、いつもそこから何を、どこを見ているんですか?]


最後の1文に悩まされた。

何を見てたなんてわかるわけが無い。


俺はその紙を取ってポケットに入れた。

その代わりにポケットに入っていた紙切れに


[俺が何を見てたか、当ててみてよ]

とだけ書いて紐を通した。


「おい、そろそろ帰ろーぜ」

すっかり日が落ちて、薄暗くなってきた。


俺らは屋上を後にした。