愛しい彼女を待たせてしまった。

しかも、2時間以上も。


今日の放課後になって突然、剣道部のミーティングがあると言われた俺は、

一緒に帰る約束をしていた彼女を下駄箱で待たせた。


30分くらいで終わるものだと思ってたのに、

話すのが下手くそな顧問は、延々と話し続けた。

おかげで俺は廊下を全速力で走り抜け、階段を急いで駆け降りる。


もういないんじゃないか。

そんな不安が頭をよぎる。


下駄箱まで着いた。

でも、彼女の姿は見えない。

もう、帰っちゃったか。


思っていたよりショックだった。

確かに、2時間以上も待たせてしまった。


でも、それでも、待っていてくれる気がしていたんだ。

肩をおとしながら、靴を出し、はきかえる。