「だって……咲誕生日なのに……悲しい顔しちゃやだ……」
咲は少しだけ目を伏せたあと微笑した。
頭をなでてるあたしの手をつかんで、それからあたしを抱きしめた。
「……ゆうゆ」
え?
ゆうゆ、なんてちゃんと呼ばれたの、久しぶり。
「ちょっと……どしたの咲……」
「わり……もう少しだけ……」
「……眠く……なって…きた……」←
「寝んな」
必死で眠気に耐えた。←
咲の腕の中で、
「ねぇ……今日変だよ?」
って言うと、
「……誕生日……だからじゃね?」
だって。
誕生日だからテンションおかしくなった?
それか16ってそんな変な歳なの?
ちなみにあたしの誕生日は9月。
え~秋なんだー、ゆうゆは夏生まれっぽーい
ってよく言われるけど、
9月ってまだまだ暑いじゃない、ねぇ。←
――――結局このあと、咲に「今日は帰れ」って言われて自分の部屋に戻った。
夜は静かだった。
咲が、遊びに来なかったから。
咲……どうしたんだろう。
あたしも、どうしたんだろう………………。

