とりあえずレーンの外に出よう……このままじゃ危険。
片足を引きずってゴールまでゆっくり歩いていく。
「――大丈夫?」
……え?
落ち着いたこの声。
目線を上げると、
「雪……くん……!?」
ニコッと笑って、
「また会ったね」と言う彼。
なんで!?
っていうかやっぱり…あたしの王子様?!
「転んだの?」
色素の薄い、ブラウンの瞳が切なそうにあたしを見る。
「あ…うん…」恥ず。
よくよく全身を見てみると、体育着は土の色に染まっている。
ひざのケガもひどくて、グロテスクなことになっていて……
ちょっと気を抜いたら今にも地面に倒れ込みそう。
「肩…かそうか?」
「いいよ大丈夫、水道まで行くだけだから……」
「よくないよ。ちゃんと保健室行こ」
雪くんはあたしの背中を支えてくれる。
ひゃ~!な、なにこの展開っ!
夢!?まさか……そんなはず……
覚めないで~~!
「ついたよ」
体育祭真っ最中の保健室、先生はいないみたい。
あたしをイスに座らせて、ごちゃごちゃした救急箱から消毒液とガーゼを取り出す。
「ちょっとしみるかも」
「うん………って、痛ぁぁぁぁっ!」
こういうとき、“いった~い”なんてそんな可愛く言えない。
それどころか素が出た……(笑)
「雪くんてヒーローなの?」

