「よっ」


玄関前に自転車に乗った咲がいた。


「あれ~珍しいじゃん待っててくれるとか。萌えおは!」


その自転車の後ろに乗る。


「いや別に待ってねえよたまたま通りすぎただけだっつの」


「細かいことはいいの!出発~」



頬を通り過ぎる風。


5月初旬、だんだんあったかくなってきて……ていうか、



「暑い!暑いよ、咲!」


「俺のが暑いわ!お前座ってるだけだろ!」


「ノーーーーーーー!!」


八百屋のおじちゃんとか、通学途中の中学生に、すごい目で見られました。





「つかさ、…………昨日はごめん」


商店街をぬけて、人通りが少なくなったとき。


咲はなにか意味深なことを言った。



「………昨日?」


「…いきなり悪かった」


「ん?あの~、何の……」


「とりあえず気にすんなっ!忘れろ!忘れてください!」



………ごめん……実はあんまり覚えてないんだけど……


とは言えない。


絶対殴られる。


でもなんか丸くおさまったらしいしいーや。



「あ、今日のお昼は一日限定10個のメロンパンにしよ~」


「お前弁当は?」


「あ………咲にあげる!」


「ゆうの手作り?」


「え?あ、えーと、う、うん!」←ほんとはマミーが




「なら食う」




咲ってアホだよね。