“お前さぁ、無防備過ぎんだって”



“こんなこと、他のやつには言わないんだかんな”



“知らねえだろ、俺がこんなにお前のこと…”





―――…お前のこと……?




「………………のゎ?」



目に入ったのは部屋の天井。


そしてあたしはベッドの上にひとり。



目をぐりぐりしながら体を起こす。


時計の針は真夜中を差している。



「…なにがあったんだっけ?」


つけっぱなしのパソコン。


キャラクター選択で止まってる画面。



そういえば……咲とギャルゲーやろうとして……、そのあと……。



なんかあったような……。



ていうか咲は……?



あたしが寝ちゃったから帰っちゃったの?



てかなんであたし寝たの!?




いろいろ考えているうちに、あたしの思考回路はどうなっているんだか、深夜アニメの方向に。


こんな時間に起きたあたしすごい!


深夜アニメ見放題じゃん!



と、2時55分からのアニメを待ちながら、結局寝てしまった。







――――朝7時30分。



いつも通りうるさい目覚まし時計を止めようと慣れた手を伸ばしたが、そこに時計はなかった。


起き上がってよくよくみると、あたしはベッドではなくテレビの前で雑魚寝をしていたことに気づいた。



つけっぱなしのテレビ。


パソコンの次はテレビかよ、みたいなつっこみが来そうだ。



アニメを見逃したのを激しく後悔しながら、だらだら準備をして家を出た。