改めてお互い向き合って、二人見つめあった。



「……あれ、ゆうお前泣いた?」


「え?あーうん……少し……」


「……なんかあった?」



ありまくりだよ。


でも……ああもうなんていうか、



「咲は反則……//」



思えばいつも咲は優しかった。


気づかないでいたけど。ていうか、それが当たり前みたいで。


「何が反則なんだよ?」



もう、顔の火照りが冷めない。


「なんでもない!帰ろ!」


あたしは耐えきれずに立ち上がった。



「あ?結局どうしたんだよ!」


咲は腑に落ちない顔をしながらものろのろ立ち上がった。



そういえばあたし、赤ずきんのままだ…………※咲はもう制服に着替えていた。



まあいっか!




キャンプファイヤーはまだ終わりそうにないけど、人はもうまばらだった。


まぁ今は二人の脳内に他人なんて存在してないけど。←




とにかく、こうして文化祭一日目は幕を閉じたのだった。




帰り道、変わらず二人乗りして帰った。


そのとき、今日の雪くんとのことを全部話して、話し終わる頃には家に着いていた。


咲もちゃんとわかってくれたみたい。




一旦それぞれの家に帰り、それからあたしが部屋に行くと、ベランダから咲が入ってくる。



「咲ーっゲームしよ!予約してたやつが届いたの!」


「おー、やるかー」



こんな、日常。