「結菜ちゃん」
女の子と抱き合うのをやめて、私のほうにゆっくりと悠紀くんが近づいてきた。
「悠紀?だぁれ、この子」
女の子は私を見て怪訝そうな顔をしていた。
「美那、悪いけどまた連絡するから今日は帰って?」
はぁい。なんて女の子は少し不機嫌そうな声で返事をして、そのまま私たちに背を向けて帰って行った。
悠紀くんのお家の前で、悠紀くんと二人きり。以前ならすごく嬉しい状況だったのに、今ではただ怖いだけ。
悠紀くんのことが怖いのかな、それとも悠紀くんから聞かされる話が怖いのかな。それはわからないけど、ただなんとなく怖いなぁなんて感じてた。
「部屋くる?」

