溺愛彼氏6:4


「悠紀くん!待って!」

部外者なのに、私は悠紀くんの通う塾に入ってしまった。悠紀くんを追いかけて。

悠紀くんは受付の前の椅子に座っていた。本を鞄から出している最中だった。

「あれ?結菜ちゃん」

知らないふりをしているのかな、それとも本当に羽柴とのこと見られてないのかな。

悠紀くんは以前となに一つ変わらない笑顔で私を招いた。
悠紀くんの隣に座って、悠紀くんを真っ直ぐと見たけど、悠紀くんの考えてることはわからなかった。

「結菜ちゃんどうしたの?久しぶりに会ったけど、相変わらずだね」

ふにゃりと笑うこの悠紀くんの笑顔が大好き。

「悠紀くん、あのね。わたし…
やっぱり別れたこと納得いかないよ。私…悠紀くんのこと…」

羽柴のことなんか考えられなかった。最低だとわかっていても、それでも私は自分の気持ちが悠紀くんに会ったことで誰に向いているのかはっきりとわかってしまったから。

「結菜ちゃん…」

悠紀くんは私の手を引いて、塾の外まで連れ出した。
塾の授業の時間はまだなのかな?不意に思ったけど、そんなことどうでもいい。悠紀くんがここにいてくれるから。
本当自分勝手で最低だ。

「結菜ちゃん、さっき本当は見てたよ。新しい彼氏出来たんだね?…寂しいよ」

寂しい?振ったのは悠紀くんなのに。