少しいつもより急ぎ足で、少し日が傾きかけている中を羽柴と二人であるいた。
羽柴は隣に相変わらずのように早口で話していたけど、私はそんなこと聞く気にはなれなくて、なんとなくの返事しか返していなかった。
少しでもこの道を早く歩けば、きっと…もしかして。
悠紀くんに会えるかもしれない、そんな風に考えていた。
悠紀くんの家は私とは全然違う所にあるから、そんなはずはないのに。
でも少しでも期待しちゃったんだ。
「なぁーお前今日上の空だよな?俺の話聞いてないだろ?」
急に羽柴が聞いてくるからびっくりして、一瞬足を止めそうになった。
「え?羽柴の話長いんだもん。聞いてられないよー!」
私はおどけて答える。羽柴はぶつぶつ文句を言ってるみたいだった。
でも気がつけば、右手に感じるぬくもり。羽柴が私の手を握っていた。
羽柴のほうをみると、羽柴は照れた顔で、こっち見んなよ、なんて悪態をついてた。でもその顔は赤くて、私の胸をぎゅっと締め付けるのには十分だった。

