｢んー。
僕の家とかくる？｣
悠紀くんはいまどき珍しかったりするのかな、俺じゃなくて僕と言う。
なんか悠紀くんらしくて私は僕、て言う悠紀くんがだいすき。
悠紀くんの品の良さが全面にでてるし。
｢行くー｣
私はニコニコと笑いながら元気よく返事をする。
悠紀くんはそれが嬉しかったのか私の顔を見ると、また目を細めて笑ってくれた。
目尻が下がるこの顔、本当にすき。
｢じゃあ行こっか｣
悠紀くんは歩きだした。
私は、じゃあ行こっか、て言われても素直に従わない。
だって悠紀くんと手が繋ぎたいから。悠紀くんと手を繋いでじゃないと歩きたくない。安心できない。
なんてわがままなんだけど。
私は悠紀くんに続いて歩きだそうとする。
すると、後ろを振り返った悠紀くんが手をヒラヒラとさせた。
