溺愛彼氏6:4


「結菜ちゃん」

いつものように悠紀くんは私よりも先に駅で待っていた。

「遅くなってごめんね」

私が謝りながら駆け寄ると悠紀くんは優しく笑ってくれた。

「雨やんでよかったね」
「降ってたら結菜ちゃんに会えないかと思ったよ」

二人で歩きながら話す。こんな何でもない時間が好き。きっと悠紀くんのことが好きだから。

「また家に来る?公園のベンチ、雨で濡れてるだろうし…」

「毎週お邪魔してもいいの?」

悠紀くんのお母さんにも迷惑かかるだろうし、さすがに何度もお邪魔させてもらうのは気が引けた。

「大丈夫だよ、僕の母さんも楽しみにしてるんだよ」

「悠紀くんがそういうならお邪魔させてもらおうかな」

うん!て嬉しそうな表情をみせる悠紀くん。歩いていると何度か触れ合う手を、予告なしに悠紀くんがギュッと握った。
私がそれに気がついて悠紀くんの方を向くと顔を赤くしながらはにかむ悠紀くんの顔が見えた。

「恥ずかしいから見ないで、結菜ちゃん」

悠紀くんの一つ一つの行動に心がキュッて締め付けられる。
嫌な痛みじゃないんだ。