「北沖、待てよ」
羽柴は本気で私を追いかけてきたみたいだ。その本気加減が伝わってきてキュて心が痛くなった。
そんなに私のこと心配してくれるんだ、ありがとう羽柴。
「羽柴…ごめん」
「お前、謝るようなことすんなよ」
「ごめん…」
こんなに心配してくれる羽柴に対してひどいことをした。だから合わせる顔がないような気がして私は顔を反らした。
「別にいいけどさ、
かけっこしたいなら最初から言えよな」
「か、かけっこ?」
「いきなり走り出したら卑怯だろ?始めるときはヨーイドン、から。常識。
…いや、待てよ。位置についてから始めるべきか?どうだろう。」
またしてもぶつぶつ言い出す羽柴に呆れたのはいうまでもない。

