「お前、馬鹿だよな…。」

ギシッ…。

ベッドから立ち上がり
私の前に立った。


…ギュッと瞳を瞑る。
奥歯をしっかりと噛み締めた。


「今まで頑張ってくれて…ありがとな。」

―え…?

顔を上げると、
口角を上げて寂しい瞳をした兄がいた。


「…どういう…ちょ…お兄ちゃん?」


不安そうなあたしに兄は
"カッコ悪いから見んな"って
震わせた肩を…声を
必死に堪えて部屋を出た。


暫くして部屋を出たあたしが
次にあった兄は
美味そうにカレーを頬張り
あたしに笑顔を向ける


いつものお兄ちゃんで…


兄の強さに甘えた自分が
恥ずかしくなり
同時に誇らしく思え、


あたしも笑顔を向けたんだ―