―「野球は好きですか?」 公にいつの日かきかれた言葉。 ―「もちろん」 微笑んで答えた自分。 遠い日のようだ。 今では 公が…怖い― あの瞳も言葉も存在も あの頃と変わってなくて 綺麗すぎて。 その綺麗さに触れる度に 自分は汚れていると実感させられる。 やっと野球から逃れられると思ったのに 野球をやっていない今の方が ずっと…… ずっと…… 空を仰ぐ。 「俺は、一人だ。」 声にならない言葉で 自分にそう、 言い聞かせたんだ…。