ハァ…ハァ…


あの日も
あたしはこんな風に走ってた。


ただただ
必死で……。


キリを
追っていた。


お願い、辞めないで。

そんな顔しないで…

いつもの傲慢な
余裕の顔
見せなさいよ…。


その日の事はよく覚えてなくて
覚えているのは…
お母さんの泣き顔と
倒れた兄
そして
マウンドを降りるキリの姿…


そして…
その日以来
キリがマウンドに
立つ事は無くなったこと…