愛美を日陰で待たせて私は学校へと自転車を走らせた。

━━頼むから間に合ってよ〜!?




数十メートルこいでやっと校門が見えた。

そして、校門よりもっと奥に駅へとむかう伊島先輩と山野先輩たちが見えた。

「伊島センパーイッ!!!」

私の大きな声に伊島先輩だけでなく、山野先輩たちもびくっと反応した。

「伊島先輩ちょっと待って…」

私は息も切れ切れに伊島先輩のもとへむかった。

それを見た山野先輩たちは何を思ったのか、ニヤニヤと笑いながら伊島先輩を置いて細い裏道に隠れた。

━━またなんか変なこと考えてるな?

私は呆れ気味に先輩たちを見たが、それを無視して伊島先輩に向き直った。

伊島先輩はまだ驚いた顔で私を見つめていた。

「あの、CDをかしてくれると言われてたのに忘れちゃってて…」

私の言葉にようやく状況を理解できたのか、伊島先輩の顔の筋肉が少しゆるんだ。

「あぁ、あれね…
ごめん。俺も忘れてた」

少しすまなそうな雰囲気を出して入るが、伊島先輩の顔はちょっと笑っていた。

「それならよかった!
私が約束忘れたから伊島先輩に失礼だと思って急いできたんですから」

私も笑ってそういった。