難しい恋は遠慮させてください

ちゃんとお手本を見たおかげで、今度はいくらかましに叩けるようになった。

先輩も「おぉー」といって手を叩いてくれた。

「疲れた?ちょっと休む?」

「あはは…そうですね…
ちょっと休まさせてもらいます」

精神的には疲労困憊だよ…

私は部室のドアの横の壁に寄りかかり一息ついた。

伊島先輩は居場所を見失ったのか、ドラムと私を交互にキョロキョロと視線を動かしていた。

「先輩もドラム叩いていいんですよ?」

私にそう言われても先輩は一度うなって、また悩みだした。

ドラムが叩きたいわけじゃないのかな?

「先輩は好きな歌手っていますか?」

今度は私の質問を聞いて先輩はうれしそうに笑ってうなずいた。

「いるよー!」

「CDと持ってます?」

「全部持ってる!」

いきなりテンションがあがりはじめた。

雑談がしたかったのかな?

「どんな曲を聞くんですか?」

「Jポップかな?リオは?」

「私もJポップですねー
女の人でカブトムシとか歌っている人が好きなんですよ」

「その人知ってる!milkとか好きだよっ」

まさかの先輩のコメントに少し私はびっくりした。

私の好きな歌手は同年代ではあまり知っている人がいなかったから…

ヤバイ…テンション上がる!