愛美の班の片付けはまだ終わってなかった。

「片付けんのトロイねー」

私はアイツにちょっかいを出す。

「佐伯。手、出してみ?」

「?」

私は手を差しだした。

アイツが私の手を握った。

「冷たいだろ?」

「私末端冷え性だから感じない。」

「じゃあいいじゃん!やってよ。」

「やだよ。名前もしならい奴のためなんて」

「俺、深川冬吾!はい。やって!」

やけになった深川。

私は深川の頬に触れた。

「私のほうが冷たいでしょ?」

深川の目が大きく開いた。

驚いたのか焦ったのか、わからない表情をして私の手をはらった。

「やっやめろよ!」

「はい。じゃ頑張ってねー」

「えっ?手伝ってくんねぇの」

「私は愛美の看病で忙しいんで!」

深川の文句が後ろから聞こえたけど無視した。

「まーなみ!大丈夫?」

「大丈夫ー」

持ってきた飲み物を渡して、私の着ているパーカーをかけてあげた。

「保険の先生が水分とって、暖かくしろってさ!」

「ありがと。でもリオ寒くない?」

「大丈夫大丈夫!」

私は笑った。

「寄りかかっていいよ。楽になるしさ!」

私は愛美の隣に座り、愛美が寄り掛かりやすいように肩を傾けた。

愛美はすぐに私の肩で眠ってしまった。