難しい恋は遠慮させてください

「えー?彼氏とかいないのー?」

ズキン…

「そんなのいないよー」

私はにっこりと笑った。

「意外だなー。モテそうなのに…」

ズキン…

「そんなことないって!」

視界のはしにうつる忘れようと決めた人の後頭部。

視線をずらすと、どこか見覚えのある男子と目が合った。

男子がニッと笑って片手をあげた。

「?」

私はきょとんとした。

誰だっけ?

「なんだよ石川っ!急に笑って変な奴!キモいぞ!」

「んなっ!?なんだよ!?
ちょっと笑っただけでひどくね!?」

その男子が私が抱きついている友達と話している。

…石川?

なんか聞いたことある…

「リオ気を付けなよ?
石川変人だから」

「ちげーよっ!」

笑いながらそいつは言い返す。

…思い出した。

「あんた確か同じ部活だよね?」

「そうだよ?」

「リオ知ってるの?」

友達も石川もきょとんとしてる。

「知ってるっていうか…
今思い出した…?」

私がニッと笑うと石川が残念そうな顔をしながら笑って言った。

「同じ部活の奴くらい覚えとけよ…」

「あっはは!ごめんごめん!」

私は頭を掻いて謝った。