今日も朝から警戒中。

深川くんは近寄れないご様子。

でも警戒しているせいかな?

前より深川のこと考えてる。

深川を目で追ってる。

最近はもう深川の小さなくせまで覚えた。

授業中。深川が先生の話に飽きて後ろを振り返った。

私と深川の目が合った。

深川はニカッと笑って私にピースをしてくる。

私の警戒心がふにゃっと崩れた。

なぜか嬉しくて、口角があがってて、手まで振ってた。

「恋したね?」

隣でにたにた笑ってる愛美の声で我に返った。

私何やってんだろ?

バカじゃないの?

男子に手を振るなんて
しかも笑顔で…

「リオさ、深川のこと好きなんじゃない?」

愛美は深川の方にチラッとだけ視線をおくって、深川を示す。

「そんなことっ…!」

私は深川へと視線をずらす。

深川は「ん?」と言うように首を傾げて私を見てる。

私はすぐに、しかも大げさすぎるくらいに目をそらした。

「…あるわけないでしょ」

小さな声で私はやっとそう言った。

「ふーん?今の恋する少女みたいな行動は何だったんだろうね?」

私の顔が熱くなる。

たぶん今私は真っ赤だ。

「そんなんじゃねぇ!誰があんな奴!」

そんなことを言いながらも私の視線は、窓の外を見ている深川を見つめていた。