「おはよー!」

「…うっす」

あれ?
なんだろ…

今日の深川は少しテンションが低い。

「リオおはよー!」

「あっ、愛美おはよ。」

「…?。リオ何かあった?テンション低い」

「えっ、あぁ。さっき深川に話しかけたんだけど、ちょっと元気なさそうでさ」

「心配なの?」

愛美がにやぁと笑う。

「そっ、そんなんじゃないし…」

「ふーん?」

愛美姉さん、その視線痛いっす。

目どけてやくれやせんか?

「まぁ、ドンマイ」

愛美は私の背中を軽くたたいた。

パンッという軽い音が響いた。





授業が始まる。

私は深川を見た。

深川の席は、窓際の一番前。

私と深川の距離は遠い。

だからかな?

私と深川は目が合ったことがない。

深川はいつも授業の最初だけノートをとって、あとは寝てしまう。

私はまわりに気付かれないようにこっそりと深川を見ていた。

今思えば、きっと愛美は私の気持ちに気付いていたのだろう。

私は愛美と話すふりをして本当は、愛美の後ろに見える深川を見ていたから。


まーた寝てるよ…

赤点とらないのかな…?

補習になっちゃうぞー?

私は気が付けは深川のことばかり考えていた。