桐島美結。


ついさっき、大好きだった彼氏、河合隼に振られたばっかの高校三年生。



“好きじゃなかったでしょ”って言われたとき、どうして言えなかったんだろう……


『好き』の二文字を……―。




「美結?大丈夫?」



あたしがボーッとしていると親友の前川美亜が心配そうにあたしの元にやってきた。



「大丈夫…じゃないかも。」



だって、振られたけど好きなんだもん。


かっこよくて、いつもあたしを一番に考えてくれる優しい隼がすき。



「美亜、あたしまだ好きだよ…」

「うん。」

「嫌いになんてなれない…っ」

「うん…」



あたしの言葉一つ一つに頷いてくれる美亜。


なにも言わない美亜の優しさが、余計にあたしの涙を誘う。