霧崎さんの息遣いを、すぐ近くに感じる。 ほどなくして、あたしの首に何かがかけられた。 そして、あのしなやかな手があたしの髪に触れて、そっと流す。 わからないほど、あたしは鈍くない。 なんで―――――? 「目、開けて」 ゆっくりと開けた目に飛び込んできたのは、 ティアドロップ型のトップにアクアマリンがあしらわれた、ホワイトゴールドのネックレス。 「......なんで?」 わけがわからない。 なんで、あたしにくれるの?