まさか。 まさか、霧崎さんの口から「誕生日おめでとう」の言葉が聞けるなんて。 そんなこと思ってもみなかったあたしは、口をぽかーんとさせた。 「目、瞑って」 言われるがままに、目を瞑る。 霧崎さん....、 あたしが今日誕生日だってこと、 知ってたの? なんで? 言った覚えなんかないのに...。 目を瞑りながら戸惑っていると、首にヒヤリとした冷たさを感じた。