あたしの、誕生日なの。 「車でどっか行こうか?」 少し微笑みながら、優しく問い掛けられたけれど。 「あたし、車持ってないです」 車がない以前に、免許さえもない。 レンタカー...とか? いやいや、誰が運転するの? 「俺の車だけど?」 「え?持ってるの?」 車を持っているだなんて、別に珍しいわけじゃないのにあたしはびっくりして目を見開いた。 それは、 霧崎さんの、っていう感覚が全くなかったからで。