なんで... なんでいるの? さっきまできれいな人と腕組んで笑ってたのに。 あたしのこと見て、 表情ひとつ変えなかったくせに。 赤の他人みたいに通り過ぎて行ったくせに。 「...なんで」 いつもみたいに、ソファにどかんと座り込んでいる。 ブラウンじゃなくて、深いブルーの――― 「なんでいるの?」 あたしを真っ直ぐ見つめている。 これは夢かと思うくらいに、信じられない。 でも。 切に願っていた、―――愛しい姿。